そろそろインフルエンザの心配も ~対策は万全ですか?~
酷暑であった夏も終わりを迎え、朝晩が涼しいと感じる季節となってきました。
そろそろインフルエンザの心配が必要となってきました。
インフルエンザは、例年11~12月頃に流行が始まり、1~3月にピークを迎えますが、
既に東京・愛知・沖縄では、80例前後の報告があり流行の兆しがあります。
当院では、今年も例年通り(65歳以上:10/15~、65歳以下:10/1~)、
インフルエンザワクチンの接種を開始しますので、「流行し始める前の11月末まで」の接種をお勧めします。
今年は、昨年と違ってワクチンは十分にありますのでご安心ください。
ワクチンは、あくまでも「主として重症化予防」のためで、「感染予防」ではありません。
自動車と同じで、シートベルト(ワクチン)で備えて、注意して運転(生活)してください。
以下、注意点や最近の話題をお示しします。
イソジン等のウガイ薬は喉を痛めるので使わない。
また、ウィルスは、顔・口や髪の毛にも付着しており眼からも侵入しますので、
外出後はすみやかに入浴するのが望ましいです。
マスク着用は「咳エチケット」としては有用ですが、鼻を出していると予防効果の程は???です。
しっかりと「鼻を塞いで」乾燥した空気やウィルスを吸わないようにしましょう。
乾燥した室内は喉を痛めますので、適宜加湿が必要です。
出来れば加湿器や濡れたバスタオルなどを干しておく方が良いでしょう。
もちろん睡眠、栄養は十分にとりましょう。
キットの測定限界(発熱後間もない、サンプルが十分でない等)から陰性であっても
インフルエンザの「完全否定」はできません。ですから「インフルエンザでない」診断書は出せないのです。
薬剤耐性ウィルスの発生を抑えるため自己中断しないこと。
検査陰性であっても、全身状態・基礎疾患・合併症などから総合的に判断して、
インフルエンザと判断する場合があります。
逆に、基礎疾患のないインフルエンザ患者で、全身状態が良い場合、
抗インフルエンザ薬による治療はしなくても大丈夫です。
最近では、1回の吸入で、1度の内服で、1回の点滴で効果を表す新薬も登場してきています。
インフルエンザウィルスは「1週間は排出」されます(人に伝染す!!)ので、
元気になったからと言っても、この期間は自宅療養が望ましいです。
予防投与については、タミフルⓇなら1Cap内服/日*10日(薬代¥4,520)、
リレンザⓇなら1回2吸入*1回/日*10日(薬代¥4,390)、
イナビルⓇなら通常治療量を1回吸入(薬代¥5,730)です。
ただし、保険治療外ですので、「全額自費」診療となります。
未だ、日本では認可されていませんが、従来の「不活化」ワクチンの皮下注射ではなく「生」ワクチン
を鼻に噴霧するタイプで、遜色ない効果が報告されていました。
ただ、最近ですが、「実はさほど効果なかった」という報告がアメリカで発表され、
日本での導入には今後更なる検討が必要です。
現在、「鳥からヒト」への感染のみですが、いずれ「ヒトからヒト」への感染も起きると思われます。
その場合の感染力や病原性はいまだ不明ですが、最新の薬で対応可能と考えられております。
一般的に、人それぞれに十分な免疫力は備わっており、
大抵のウィルス感染症は、休養・栄養のみで対応可能です。
当然、鳥インフルエンザであっても、基本的な考え方は同じです。
普段から十分に栄養を取って体力・抵抗力を高めて「伝染らないこと」と、
罹患すれば蔓延予防と治療のため、最適な薬を服用して
しっかりと療養すること(=「早く治すこと」)が肝要です。