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その腰痛は骨粗鬆症かも…!?寝たきりにならないために②

皆さん、ここ最近急に寒くなってきましたが、体調は如何でしょうか?
風邪などひいていませんか?風邪予防には、部屋の乾燥に気を付けて、
外出から帰ったら「塩水でのうがい」に心がけてください!!

さて、前回では骨粗鬆症の総論をお話ししましたが、
今回は骨粗鬆症の予防と治療についてお話ししたいと思います。

まず、食生活ではいったい何に気を付ければ良いのでしょうか?多くの方が真っ先に思い浮かぶのは「カ
ルシウム」ではないでしょうか?残念ながらそれは間違いです。

皆さん、高層ビルの建築現場を思い浮かべてみてください。
あれ程の背の高いビルを支えている「鉄筋コンクリート」ですが、

人間の骨に当てはめると「蛋白質と脂肪」からできた骨組み(鉄筋)と
「カルシウム」で補強したコンクリートがバランス良く構築されないとすぐに倒壊してしまいます。

そうならないためにはどうしたら良いのでしょうか?ふくろうだよりを以前から読まれている方は、
すぐにピンとくると思います。そう、「糖質(炭水化物)を制限して蛋白質と脂肪を摂る」のが一番なのです。

人間の身体の構成成分の約9割は蛋白質と脂肪から出来ており、
ご飯やパン・麺といった糖質(炭水化物)は構成成分の1割以下です。

ですので、日本の成人が摂取する1日のカロリーを2000~2500Kcal とすれば、
200Kcal 程度が炭水化物の許容量で、御飯を軽く1杯食べたらその日はお終いで、
後にジュースや果物・お菓子・パン・ラーメンは食べてしまうと
それらは全て脂肪に変換され結果として太ってしまいます。

ですので、食事内容は今迄のイメージとは異なり、
「脂っこい肉・魚と脂肪をしっかり含んだ食事を摂り、あっさりした穀物・パン・麺類を極力減らす」ことが大事です。

欧米人に比べて日本人のカルシウム摂取量が少ないのは、
牛乳をはじめ乳製品の摂取が格段に少ないからであることがはっきりしています。

日本人の全カルシウム摂取量のうち、乳製品からは「27%」ですが、
欧米人では乳製品から何と、「70%」ものカルシウム(日本人の2倍以上!!)を摂っています。

「チーズ・ヨーグルト」などの乳製品はカルシウムの吸収率もよいため、
手軽に摂れるカルシウム源としてもっと利用すべきでしょう。

いまよりカルシウムを1日200〜400ミリグラム増やしたいと考えたら、
乳製品が一番高率がよいのです。「大豆製品」は良質な蛋白源として知られていますが、
カルシウム源としても豊富です。さらに骨の健康に大切なことがわかってきた「イソフラボン」
という成分を豊富に含むために、是非毎日食べるようにしましょう。

大豆製品は味噌、豆腐、厚揚げ、おから、納豆と種類も豊富で和食にぴったりです。
なかでも「納豆」は優れた発酵食品で、ビタミン類も豊富でビタミンKが骨折を予防します。
その他、納豆は免疫力を強化したり、動脈硬化の予防効果もあります。

魚にはカルシウム以外にビタミンDや、血管の老化を防ぐEPAや、
脳の活性化によいと言われるDHAも豊富ですから、
さんま、アジ、サバ、イワシ、マグロ等を使った料理を
毎日のメニューに取り入れたいものです。

また、ひじきやワカメ・昆布はカルシウムやミネラルが
豊富なのにカロリーはゼロですから、他の食材と組み合わせてたっぷり摂るようにしましょう。

次に、骨に刺激を与えて丈夫にする効果と転倒しにくいバランスや
筋力維持のための運動療法として、特にお勧めなのが以下の「ながら運動」です。

  1. 「寝ながら」…仰向けで両足を揃えて30度上げて静止30秒を4回。
  2. 「料理しながら」…両膝屈伸をゆっくり10回。
  3. 「本を読みながら」…椅子に浅く腰掛け背筋を伸ばす。その姿勢を保ったまま両足をそろえて水平にあげて10秒静止を何回でも。
  4. 「電車に乗りながら」…つり革に両手をかけて、全量で10秒間引っ張る運動を3回。
  5. 「テレビを見ながら」…椅子に深く腰掛け、両膝をつけたまま両膝を持ち上げて10秒間静止する運動を3回。

特に、腰背痛があるときは寝たままでできる体操がおすすめです。
仰向けに寝て、左右の脚を交差させて腰から下だけ左右にゆっくり捻ったり、
両膝を抱えて丸くなったまま静止する体操が効果的です。

また、立った状態で静かに脚を前後に開いて脚の筋肉を伸ばしたり、
状態を前後左右にゆっくり倒すストレッチも痛みを鎮めます。
痛みがとれたら、骨盤体操を行うと積極的な腰痛の予防にもなるようです。

立った状態で腰に手をあてて、腰を左右前後に突き出して数秒ずつ止める運動です。
お好みによって腰をスイングしたり、回したり、左右に振りながら歩くような運動も取り入れてみたらいいでしょう。

この様に、予防と対策は色々とありますが、どうしても投薬が必要なこともあります。
「古い骨が溶かされ、新しい骨が形成される」メカニズムが支障を来している骨粗鬆症には、
その原因に合わせた治療法が確立されてきています。

まずは内服薬を筆頭に、インスリンの様に毎日皮下注射する注射薬
・月に 1 回や半年に1回注射する注射薬等、その病態に合わせた様々な対応方法があります。

気になる方はまず、当院で骨粗鬆症チェックを行ってください。まずはそこからです。