実は身近な病気・認知症とは? ~その本質と対応④~
毎日夏の様な日差しが降り注いでおりますが、皆さん体調崩されていませんか?
今回は、認知症シリーズの最終回で、認知症のトピックについてお話しします。
認知症治療マニュアル「コウノメソッド」
皆さんは「コウノメソッド」についてご存知でしょうか?
「名古屋フォレストクリニック」院長の
河野和彦先生が提唱する認知症の治療マニュアルです。
非常にユニークな点は、下記のような一件乱暴に思える治療ですが、
「患者と家族」の事を一番に考えている治療法だと思います。
- 診断は正確でなくてもよい。治すことだけを考える。
- 日本のために無駄な検査、意味のない専門医への依頼は控える。
- 医師と薬を信頼してはならない。薬が合わないと思ったら減らしたりやめたりすべし。(ただし、精神科の薬で中断すると危険な場合があるので注意。医師に相談を。)
- 医師を育てるのは、患者や家族である。「謙虚な」医師を選べば、道は開ける。
コウノメソッドは、徘徊や怒りっぽい・暴行/暴言が顕著な認知症でも
「家庭介護が続けられる」ことを主眼として「一般公開(インターネット)」された薬物療法マニュアルです。
そのコンセプトは、下記の通りです。
- 薬の副作用を出さないために「介護者が」薬を加減すること(家庭天秤法)
- 患者と介護者の一方しか救えないときは「介護者を」救うこと(介護者保護主義)
- サプリメントの活用
ただ、①については薬を服用することで「却って悪化」した場合に、
「介護者が患者のために」減量・中断してもOKと言うことですが、「医師に報告」は忘れないでください。
②ですが、介護でのトラブル(介護者の介護疲れ・うつ病等)が増えてきている昨今、患者の施設入所や精神病院入院等の対応を図る必要があります。
③については「フェルガード」と「プロルベインDR」「エキストラバージンココナツオイル」の3種類があります(当院で販売しております)。
認知症の治療を手助けするサプリメント
フェルガード
米ぬか成分のフェルラ酸とセイヨウトウキないしバコパモニエラが配合されたサプリメントで
認知症、嚥下機能、歩行機能、脂質・血圧・HbA1cなどの改善作用があり多くの学会発表がされています。
プロルベインDR
ルンブルクスルベルス(赤ミミズ)の消化酵素などを主成分とした動脈硬化改善サプリメント。
動脈内腔のプラークは2ヶ月で退縮傾向を示したと言う報告があり、
また血圧低下や末梢循環も改善効果があります。河野医師も自ら内服しています。
COCOWELLエキストラバージンココナツオイル
料理などに入れるが、冬は白く固まっています。
夏は透明の液体。コーヒーに入れても良いが表層に油が浮いて見えます。
認知症患者がかなり改善する場合があり家族も常用してよい。
効能は医師が認めており、多くの本も出ています。
認知症の中核症状と周辺症状
治療において最も気を付けるべきは、認知症は中核症状(いわゆる物忘れ)と
周辺症状(徘徊・幻覚・暴行・易怒性・妄想等)から
構成されており、周辺症状には陽性症状(興奮系:イライラ・ブツブツ・うろうろ)と
陰性症状(抑制系:ボーっと・うとうと・嚥下不能・失語)があります。
介護者が一番困っているのは陽性症状であって、中核症状ではありません。
周辺症状は、中核症状から派生するものですが、
中核症状を治せば周辺症状も自動的に改善すると思ってはいけません。
結局のところ、患者の病態を把握し今何が必要かを考えて、
必要最低限の薬で最大効果を得られるように、
「医療・介護・患者とその家族」がしっかりと情報交換しながら対応していくしかありません。
これからは高齢化の時代で、ますます認知症患者が増えていくと思われます。
医療法人秀皓会の医療・介護部門は、いつでも手を差し伸べられるよう準備をしておきたいと思っております。