内科・循環器科・呼吸器科・アレルギー科・予防接種・各種検査など地域のかかりつけ医として幅広く診療。介護事業所を併設し往診・訪問診療・介護サポート

お問い合わせはこちら

内科・循環器科・呼吸器科・アレルギー科・予防接種・各種検査など地域のかかりつけ医として幅広く診療。介護事業所を併設し往診・訪問診療・介護サポート0798-81-1192
内科・循環器科・呼吸器科・アレルギー科・予防接種・各種検査など地域のかかりつけ医として幅広く診療。介護事業所を併設し往診・訪問診療・介護サポート

心筋梗塞は普段の生活習慣で予防できる?絶対におさえておきたい予防の3つのポイントとは?

心筋梗塞とは

心筋梗塞は日本人の死亡原因の第二位にあげられている病気です。
60代の男性に圧倒的に多く、突然激しい胸の痛みに襲われ、
「えぐられるような痛み」と表現する人もいるほどの苦しみを伴います。

突然死の原因にもあげられる恐ろしい病気といわれています。

心筋梗塞とは心臓が酸素不足になり壊死する病気です。
心筋を取り巻いている冠動脈は心臓に血液と酸素を送っています。
これが動脈硬化で硬くなりコレステロールなどが沈着すると血液の通り道が塞がれ、
心筋に血液を送ることができません。

そのため心筋は酸素不足となり、心筋細胞が壊死を起こしてしまいます。これが心筋梗塞です。

心筋梗塞の原因は

冠動脈がつまる原因のほとんどは、動脈硬化です。
動脈硬化とは、動脈の壁にコレステロールなどを含んだゴミがたまり、血管の内腔が狭くなった状態です。
高コレステロール血症のほか、高血圧、糖尿病、喫煙、高尿酸血症、肥満、
神経質な性格、ストレス などが動脈硬化を招く危険因子と言われています。

持っている危険因子の数が増えれば増えるほど、動脈硬化を起こす危険度はどんどん高くなります。
健康診断 で「メタボリックシンドローム」と言われている人は、特に注意が必要です。

動脈硬化以外で考えられる原因としては、川崎病(全身の血管に炎症が起こる病気)などの炎症によって起こる動脈瘤、
心房細動という不整脈によって心臓の中にできた血栓が飛んで冠動脈につまる塞栓症、
そして冠れん縮(冠動脈のけいれん)などがあります。

原因は完全には解明されていませんが、喫煙や飲酒、ストレスによって起こりやすくなると言われています。
体を動かしたときではなく、夜間~早朝の安静時や睡眠時に発作が起きやすいのも特徴です。
通常、発作は一時的ですが、長引けば動脈硬化と同じように心筋梗塞に至ってしまいます。

心筋梗塞の症状は

心筋梗塞の症状は、一般的に、胸が締め付けられるとか、鉄板を押し当てられるような痛みと表現されます。
しかし、放散痛といって、背中や顎、左腕、胃のあたりが痛むこともあります。歯が痛いという患者さんもいます。

血管が細くなって心臓の筋肉に対して血液の供給が不足して起こる狭心症では、安静にすることや、
ニトログリセリンの錠剤やスプレーを舌の下にいれることにより数分で痛みが消えますが、
それが消えずに20分以上持続するようでしたら血管がすでに詰まって心筋梗塞を起こしている疑いが強くなります。

例えば、冠動脈を高速道路に当てはめて考えることがあります。
人間の心臓は予備的な能力があるため、高速道路の4車線のうち2車線が工事をしていても流れに大きな問題は起こりません。
しかし、冠動脈の内側である内腔が75%以上、つまり4車線のうち3車線が動脈硬化でおおわれると、
歩いたりした時に胸が痛くなるという狭心症の症状が出始めます。

さらに90%以上になると、安静にしていても症状が出始めます。
高速道路が工事で通行止めになると車は完全に通れなくなるように、
冠動脈も完全に詰まってしまうと血液が先に流れなくなり、心臓の筋肉が死に始めて心筋梗塞を起こします。

心筋梗塞は胸痛や放散痛のほかにも症状を起こすこともあります。心不全といって心筋梗塞により
心臓のポンプ作用が衰えるために肺の中に水がたまって息苦しくなる症状や、
心筋梗塞により起こる不整脈によって動悸が出現したりすることにより、
胸の痛みよりそれらの症状が重いこともあります。

最悪の場合は心筋梗塞を起こしてすぐに心臓が停止してしまうことにより倒れて病院に運ばれる患者さんもいます。

また、高齢者では典型的な症状が出にくく、だるい、気持ち悪いなどの症状が心筋梗塞の症状であることもよくあり、
認知症がある人などでは家族が何となく元気がないといって病院につれてきたら心筋梗塞であったということもあります。

糖尿病の患者さんでは神経の障がいのために典型的な痛みが生じない場合があり、
高血圧の患者さんでもそういった場合があることが報告されています。

また、心筋梗塞を起こした患者さんの約20~30%の患者さんは全く痛みを感じず、
その後に受けた健康診断や人間ドックで実は以前に心筋梗塞を起こしていたと判明する患者さんもいます。

その原因は、はっきりとは解明されていませんが、
痛みに対する敏感さが人によってかなり異なることが原因ではないかと考えられます。

心筋梗塞の予防・対策は

生活習慣が乱れていると、心臓を巡る冠動脈が硬く、狭くなり、狭心症や心筋梗塞の要因になります。
特に注意すべきなのが、脂肪分や塩分の多い食生活、運動不足、喫煙です。

これらの危険因子は、血液中に悪玉コレステロールを増やし、内臓の周囲に脂肪をたまりやすくします。
この内臓脂肪の蓄積によって分泌されるホルモンなどの作用で、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が誘発されます。

血中の糖や脂肪が冠動脈を傷めることで、狭心症や心筋梗塞を発症させるのです。
予防するには、日々の暮らしを見直すことが第一といえるでしょう。

心筋梗塞の治療法は

急性心筋梗塞の発症は、冠動脈粥腫の破裂が生じ、
その部分に血栓が形成され冠動脈が閉塞されることにより心筋への酸素、栄養の供給が絶たれ、
心筋が不可逆性の虚血、つまり壊死に陥ることによると考えらます。

昨今は急性冠症候群という概念で語られることも多くなってきました。
急性心筋梗塞の急性期の治療として、再開通療法は広く普及し施行されています。
閉塞した冠動脈の血流を再開させることより、閉塞したまま保存的に治療した場合に比べて、
壊死心筋量を減らし、心機能を保持することができるからです。

ひいては、院内死亡減少、生命予後の改善が期待されます。
急性心筋梗塞の再開通療法においてもカテーテルインターベンション、「PCI」が用いられています。
通常はステントを用いて確実に再開通を成功させ、再閉塞がおこらないように安定した開存を保つようにしています。

上記のような胸の痛みや当てはまる症状などがある場合には一度ふなもとクリニックにご相談ください。