たばこを吸っている方は要注意!喫煙者に多い肺気腫の症状や治療法について解説します
肺気腫とは
酸素と炭酸ガスの交換を行っている肺胞の組織が壊れ、
肺にたまった空気を押し出せなくなる病気です。
肺胞と呼吸細気管支が拡張して破壊される疾患で、
肺胞との間の壁が壊れると、いくつもの肺胞が弾力性を失ったひとつの袋のようになります。
こうした肺胞の集まりがたくさんできた状態を肺気腫といいます。
肺気腫になると肺胞が破壊され、その数が減り肺がスカスカの状態になります。
正常な肺胞が減少し呼吸面積が減少するため、肺でのガス交換に不都合が生じます。
なお、肺気腫の患者の多くは慢性気管支炎を伴っており、
その場合、慢性閉塞性肺疾患という病名が付けられます。
肺気腫の原因は
肺気腫の主な原因は、喫煙です。
喫煙習慣のある方が肺気腫を生じる可能性が高いと言われております。
長期にわたって吸い込んだタバコの煙が原因で、徐々に肺の中の肺胞が壊されていくといわれています。
40歳以上の男性が肺気腫になることが多いのも、喫煙率と関係しています。
男性は喫煙習慣のある方が多いため、肺気腫の患者さんが多いと考えられているのです。
また、肺気腫はある一定の喫煙期間によって生じます。
そのため、中高年から高齢にかけて肺気腫になることが多いと考えられます。
例えば、20歳代で喫煙を始めた方が40歳代や50歳代になって肺気腫になるイメージです。
また、その他にも受動喫煙や大気汚染などが
原因で肺気腫を生じる可能性もあるといわれています。
肺気腫の症状は
風邪をひいているわけでもないのに咳やたんが出ます。
病状はゆっくりと進行し、次第にちょっとした動作をする際にも、
息切れや息苦しさを感じるようになります。
症状が更に進行すると呼吸困難になり、日常生活に支障をきたします。
重症になると呼吸不全に陥ったり、全身に障害が現れたりすることもあります。
肺気腫の検査は
肺気腫が疑われたら、次のような検査を行い確定診断と重症度の評価が行われます。
①呼吸困難症状の評価
②胸部X線撮影・・・肺の過膨張
③呼吸機能検査:・・・閉塞性換気障害
④胸部CT(コンピューター断層写真)検査・・・気腫性陰影、気道壁の肥厚
⑤血中酸素飽和度、動脈血ガス分析・・・安静時・運動負荷時の低酸素
肺気腫の治療法は
症状に応じて、薬物療法や運動療法などの総合的な治療を継続的に行います。
肺気腫により肺胞が壊れたり、細気管支に炎症を起こすと肺機能の低下を起こします。
残念ながら、一度破壊された肺を元に戻すことはできません。
しかし、早く病気を発見して治療を続ければ、症状を和らげたり、病気の進行を抑制することが可能です。
症状が進行すると呼吸困難により、運動能力や生活の質が低下します。
このような状態を改善するためには、薬物療法に加えて、
運動療法や栄養療法、日常生活の管理などを総合的に行うことが重要です。
- 長期間たばこを吸っている
- 最近ちょっとした動作で息切れすることが増えた
- 風邪はひいていないのに咳やたんが出るようになった
など
上記のような不調が出た場合は一度ふなもとクリニックにご相談下さい。