発熱が出たら別の病気の疑いも?症状が出た時の対策は?
発熱とは
発熱とは、体温が上昇した状態で、
口腔体温計で37.8℃または直腸体温計で38.2℃より高ければ、体温が高いとみなされます。
熱があるという表現は、実際に体温を測っていなくても、熱っぽい、寒気がする、
汗をよくかくなどの状態を指してあいまいに使われることが多々あります。
37℃前後が平熱とされますが、体温は1日を通じて変動します。
早朝で最も低く、夕方に最も高くなって37.7℃前後まで上がることもあります。
同様に発熱の場合も、一定の温度でとどまるわけではありません。
毎日いったん高くなってから平熱に戻る、間欠熱と呼ばれる状態や、
体温は変動するけれど平熱には戻らない、弛張熱と呼ばれる状態もあります。
発熱の原因は
発熱の原因の一つである「感染症」に対しては、
発熱することによって免疫系を活性化させ、
感染の原因微生物の増殖をおさえるための正常な反応と言われています。
“急な”発熱の主な原因の多くは以下のような感染症が原因
- 感染症
- 膠原病
- 悪性腫瘍: 癌 (腫瘍熱)
- 内分泌異常:ホルモン異常 (副腎・甲状腺機能異常)
- 血栓・塞栓症 (深部静脈血栓症など)
- 薬剤熱 (薬剤の副作用による発熱) など
発熱の症状は
発熱と共に痛みがあらわれる
腹痛と嘔吐や下痢といった症状が見られれば、
急性胃腸炎の疑いがある他、痛みが右下腹部に移動し、歩くと響く場合には、虫垂炎の可能性も考えられます。
また、腰痛とともに、頻尿や残尿感がある場合には腎盂腎炎、
発熱を繰り返し、関節の痛みがある場合には膠原病が疑われます。
全身症状が現れる
ものを飲み込むのが困難になったり、声がかすれたりする場合には、急性喉頭蓋炎や扁桃周囲膿瘍の疑いがありますが、
首の前側が痛むのにのどに異常がない場合には、まれですが亜急性甲状腺炎の可能性があります。
また、発熱を繰り返し、悪寒がある場合で、弁膜症の既往を持つ方は、
感染性心内膜炎の疑いがあるほか頭痛、悪寒、全身の調子が悪い場合には敗血症、髄膜炎の疑いがあります。
発熱の予防・対策は
予防のためには、人ごみの多いところを控えるなどウイルスや細菌を遠ざけることが大切です。
また、日頃から元気な身体をつくることを心がけてください。
- 規則正しい生活
不規則な生活リズムは体調を崩す原因にとなります。栄養や睡眠をしっかりとって、疲労をためないよう規則正しい生活を心がけましょう。 - 栄養バランスを考えた食生活を
ビタミンやカロテンをはじめ、バランスの良い食事を。特に、日中元気に過ごすためにも朝ゴハンから栄養素をしっかり摂りましょう。 - 適度な運動で体を鍛える
風邪に負けない体力をつくるのも大切です。また、乾布摩擦などで皮膚を鍛えるのもカゼの予防につながります。ただし、無理は禁物です。 - よく笑うことで免疫力をアップ
「笑い」には、身体の免疫力を高める効果があります。毎日笑顔で楽しく過ごすことも、元気に過ごすポイントです。
発熱の検査は
発熱の主な原因は、鼻・のどの痛み・咳に代表される耳鼻科領域の感染症や呼吸器系の感染症です。
お腹の風邪すなわち感染性胃腸炎で発熱する場合もあります。
最近、高齢者介護施設で集団感染を起こし、問題となったノロウイルスによる感染性胃腸炎でも発熱することがあります。
こうした呼吸器や消化器の日常生活で罹る感染症を総称して、かぜ症候群と呼んでいます。いわゆる風邪です。
5~6歳以下の呼吸器感染症の多くは細菌性の感染症ですが、
6歳以降はウイルス性が圧倒的に多く、抗生物質は効果がありません。
成人の5~15%のかぜはマイコプラズマやクラミジアなどの病原体が原因で、
医者が最初に処方する抗生物質が効かないタイプの病原体です。
虫垂炎で発熱することもあります。炎症の反応の強さをみるため、採血した血液を用いてC反応性蛋白(CRP)、
赤血球沈降速度(ESR)、白血球数などの検査を実施しますが、直接的な病原体診断目的の検査ではありません。
感染症の診断をつけるには病原菌を見つけるためにガラス板にたんや膿を付けて染色液で染め出し、
顕微鏡で直接観察する方法があります。また、採取した検査材料を寒天の上に塗布し
病原菌を増やしたり増えた菌の抗生物質の効きめを調べる検査などを行ないます。
外来で、すぐに発熱の原因の病原体を調べられる検査もあります。
その代表が、インフルエンザウイルス感染症の迅速診断キットです。
病原体に特徴的な蛋白を調べる検査や遺伝子検査もあります。
発熱の原因のよく分からない場合、不明熱と呼ばれ、診断にはさらに詳しい検査が必要です。
発熱の治療法は
療養を行う中で重要なポイントとして水分摂取があります。
食事は数日間の絶食であれば、重大な問題となることはありません。
しかし、「水分摂取」は非常に重要であり高齢者など体力のない方の場合、
発熱、下痢、嘔吐がある場合などは1~2日で脱水症を起こします。
症状はつらいですが、少量ずつでも経口補水液やスポーツドリンクといった、
電解質(ナトリウム・カリウム)や糖質の含まれた水分を摂取するよう心がけて下さい。
また、液体での摂取が難しい場合は、ゼリー状の製品も販売されておりますのでご活用されてください。
上記のような症状が出た場合は一度、ふなもとクリニックにご相談ください。