新しいスキンケア ~いつまでもピチピチのお肌を目指して①~
皆さん、毎日寒い日が続きますね。
また冬は乾燥シーズンですので、お肌も乾燥してカサカサになっていませんか?
そんな時に、皆さんはどうしておられますか?高価なクリームや化粧水を使っておられますか?
今回は、お肌とスキンケアについて書いてみようと思います。
表皮にいる善玉菌と悪玉菌
以前 ふくろうだより(Vol. 31)
で書きました、100兆個にも及ぶ「腸内常在菌」が如何に免疫システム・睡眠を含めた精神的なバランス
・食物の消化吸収や排便といった人間の体調管理に大切な役割を果たしているか、を覚えておられるでしょうか?
更に驚くべきことに、その腸内システムと同様のことが、ヒトの皮膚にも存在しているという事実があるのです。
つまり、ヒトの皮膚には「皮膚常在菌」が存在し、その大多数を占める
「表皮ブドウ球菌」のお陰で皮膚が健康な状態を保っていられるということです。
例えば皮膚が「弱酸性」なのは、この細菌が皮脂腺から
分泌される皮脂の構成成分である脂肪酸を分解して「弱酸性」環境を作っているからなのです。
殆どの病原菌は「アルカリ性」環境を好むのですが、
表皮ブドウ球菌がいる皮膚は「弱酸性」となっており、
病原菌にとって棲みにくいバリアが形成されているのです。
もしも表皮ブドウ球菌が少なくなったらどうなるか?もちろん、
皮膚は「弱酸性」に保てなくなって「アルカリ性」に傾き、他の病原菌が増殖しはじめるのです。
こうなると、皮膚のバリアの一部が破れているのと同じで、
善玉菌である表皮ブドウ球菌を減らす行為は、
「皮膚の健康を損ない、皮膚の状態を悪化させ、細菌感染の危険性を増す行為」なのです。
つまり、ニキビ・水虫・加齢臭・粉をふいたような乾燥肌
・お風呂上りに全身が痒いと言った皮膚疾患(症状)へとつながってしまうのです。
例えばアトピー性皮膚炎を例に挙げましょう。
アトピーの皮膚を調べると「黄色」ブドウ球菌がかなり増殖しているようです。
「黄色」ブドウ球菌は「表皮」ブドウ球菌のように
「常在」というわけではないですが、多くの人の頭皮、鼻腔、腋窩、足底などの
皮膚から常に検出される悪玉菌です。もちろん、創面にも必ず棲んでいます。
「表皮」ブドウ球菌が正常に発育している皮膚に
「黄色」ブドウ球菌がいても、両者のバランスが崩れなければ全く問題にはなりません。
しかし、現実にはいろいろな状況で「黄色」ブドウ球菌は「悪さ」をしています。
なぜ「黄色」ブドウ球菌が増えているかといえば、
おそらく傷ついた皮膚(自分で引っ掻いたりして)があって居心地が良いからだと思います。
また、「黄色」ブドウ球菌がいると、更に痒みが増して引っ掻いてしまうため、病状は更に悪化してしまいます。
消毒液は善玉菌も殺してしまう
そこで一般的な医療サイドの人間は「黄色ブドウ球菌を減らそう」と考え、イソジンなどの消毒薬を持ちだしてしまいます。
確かに「黄色」ブドウ球菌はイソジンで減りますが、
イソジンは善玉菌である「表皮」ブドウ球菌もきっちりと殺してしまいます。
要するに、「治療のため」と称してアトピーの皮膚を殺菌・消毒することは、
「表皮」ブドウ球菌を減らす事で更に皮膚を傷害し、状態を悪化させている要因になっていると考えられます。
「黄色」ブドウ球菌が病原菌だからといって、それを薬物(消毒薬や抗生物質、抗菌剤)で
除去するのは全く意味がない事で、「表皮」ブドウ球菌まで殺しては元も子もないのです。
間違ったお肌のケアや過剰な消毒をしていませんか?
そういった観点から考えると、私たちが日常している「(自称)皮膚を清潔に保つ」ための
行為の多くが、そんな大切な表皮ブドウ菌を「虐待する」行為と
なってしまっていることに気づきませんか?
例えば、石鹸で体中の皮膚を洗う事、ナイロンタオルでゴシゴシ皮膚をこする事、
イソジンなどで皮膚(傷口を含む)を消毒する事、長湯をする事…。
どれもこれも、表皮ブドウ球菌を少なくして、わざわざ皮膚を不健康にしているのです。
よくコマーシャルで見かける「ビ○レママになろう~、弱酸性ビ○レ」は全くの眉唾物です。
いくらボディーソープが「弱酸性」であっても、
それにより表皮ブドウ球菌の栄養源である皮脂を洗い流してしまい、
「弱酸性」の皮膚のバリアを崩壊に導いてしまっては意味がありません。
ちなみに、皮膚の新陳代謝(生まれてから角質層になり垢となって剥がれ落ちるまで)は、
いったい何日かかるかご存知でしょうか?
もちろん体の部位によって差がありますが、大体は28日~56日程度です。
しかも、年齢とともにその周期は長くなって56日に近づいていっています。
つまり、皮膚から剥がれ落ちる垢は加齢とともに量が減っていくのです。
また、汚れた手に流水をかけながら擦り合わせると、
結構汚れは落ちますよね?さらに、お湯で顔を洗うだけで、そのあと顔が突っ張りますよね?
これは「お湯だけ」洗顔により、皮膚に潤いを与えている皮脂がお湯で溶けて流れ落ちているからなのです。
いわゆる「汚れ」は皮脂の上に乗っかっているだけなので、お湯と一緒に洗い流されていっているのです。
だとすれば、毎日入浴するだけで、汚れは取れている。
しかも皆さんが心配される垢も、手で優しく撫でてあげれば十分落ちるのです。
ボディーソープを付けたタオルで擦る行為は、確かに良い匂いがしてさっぱり感はありますが、
必要以上に角質を除去した結果、肌のキメを壊し乾燥しやすくしてしまっているのです。
同様に、頭皮をシャンプーやリンスで洗うことは、
頭皮の痒み・フケの原因となり、荒廃した頭皮から生える頭髪は脆くて弱くなってしまいます。
「痩せた土地からはいい作物は収穫できない」と同じことだと思います。
ですので、シャンプーやリンスは使っても良いですが、
頭皮には決して付けないようにしてください。
そして出来るだけ早めにしっかりと洗い流すことをお勧めします。
今回は、入浴の仕方・洗髪の仕方についてお書きしましたが、
次回は「ピチピチになるためには」についてお書きしたいと思います。