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新しいスキンケア ~いつまでもピチピチのお肌を目指して②~

皆さん、毎日寒い日が続きますね。
また冬は乾燥シーズンですので、お肌も乾燥してカサカサになっていませんか?
そんな時に、皆さんはどうしておられますか?高価なクリームや化粧水を使っておられますか?
今回は、お肌とスキンケアについて書いてみようと思います。

表皮にいる善玉菌と悪玉菌

前回のふくろうだよりでは、
皮膚常在菌がいかに重要な働きをしているかについて書きました。
その常在菌を虐待しないために、石鹸やタオルを使わない「お湯だけ」洗顔・洗髪・洗身が大切であることを書きました。

しかし、ピチピチお肌を保つためにはそれだけでは不十分なのです。
多くの女性がせっせと精を出している「荒れた肌に(肌を荒れさせない)スキンケア」のほとんども、
実は皮膚常在菌を減らして肌の健康を損なっていることをご存じでしょうか?

界面活性剤が乾燥を招く

入浴後に顔や身体につけているローションやクリーム・乳液の多くには、
ポリエチレングリコール等の界面活性剤が含まれています。
その界面活性剤とはいったい何でしょう?「合成」界面活性剤は、洗濯洗剤・食器用洗剤・化粧品(クリームや乳液も含む)
・シャンプーやリンスなどの整髪料の多くに含まれており

皮膚の脂肪酸を分解してしまうため、皮膚常在菌が脂肪酸を有効利用できず常在菌レベルが低下してしまうのです。

皮膚の表面の潤いを保つべくコーティングしている皮脂は、
界面活性剤によって分解された結果、乾燥しやすくなり角質層が痛みます
この皮膚組織の乱れがシワ・シミなどを増やすのです。

要するに、体を清潔にして肌の汚れを落とし、
美しい肌にしようと思ってしている行為のほとんどが、逆効果なのです。

では、美と健康のためにはどうしたらいいのでしょうか?簡単なことです、
皮膚常在菌を育てればいいのです(「育菌」といいます)。

皮膚の菌も育てよう!

皆さんはヨーグルト、納豆・味噌などの発酵食品を食べて「腸内常在菌」を「育菌」することには積極的ですが、
皮膚常在菌を育てることには関心が乏しくないですか?

皮脂にはグリセリドや遊離脂肪酸が含まれており、皮膚常在菌により分解されると、
オレイン酸・パルミチン酸・ステアリン酸などに変化し、
これが他の常在菌のいわゆる「エサ」になり常在菌が増殖し、人体に害を及ぼす黄色ブドウ球菌や緑膿菌の繁殖を抑制します。

この皮脂の脂肪酸組成に酷似しているのが、なんと「ラード(豚脂)」なのです。
つまり、肌を健やかに保ち傷んだ肌を修復するために最も適した物質は「ラード」なのです。

あの食料品売り場にあるチューブ入り「ラード」を手のひら温めて溶かしたものを、
顔や全身に薄く塗るだけ
でツヤツヤ・ピチピチのお肌を取り戻す(保つ)「第1歩」となるのです。

「ラード」のイメージから抵抗あるかもしれませんが、
調理用として口に入れる「ラード」は当然無味無臭ですし、肌につけても体に悪いはずはないですよね。

薄く塗り伸ばせばベタベタせず、立派な化粧下地にもなります
(現在、当院ではアトピーや慢性湿疹の方には「ワセリン」「プロペト」「プラスチベース」と行った医療用軟膏を処方しております)。

美肌に効果があるのは肌の血流を良くすることだけ

ちなみに、綺麗な女優さんがPRする化粧品や飲むコラーゲンを使えば綺麗になると思っていませんか?
「膝の痛みにコンドロイチンやヒアルロン酸」などと謳っているように
「荒れた肌を修復するために、潤い成分(ヒアルロン酸など)をつける」のが効果的だと思っていませんか?

確かに、ヒアルロン酸で皮膚表面の潤いは期待できるかもしれませんが、
皮膚の深層にある角質基底層や真皮まで潤いが及ぶことはありません

肌の潤いは外から与えるものではありません。
結局のところ、効果があるのは肌の血流を良くすること以外ありえません

肌の血流は、基礎代謝を上げると良くなります。
その基礎代謝を上げるのに重要なものが、以前ふくろうだよりでご紹介した「糖質制限」なのです。

ご飯やパン・麺類・イモ類・お菓子(デザート)
・果物に含まれる糖質により、血糖値が上がると膵臓からインスリンが分泌されます。

そのインスリンにより腎臓ではNa(食塩)の再吸収が起きます。
当然血中Na濃度を一定にするため、水分も再吸収されることとなります。

余った水分は、血管内では血液量増加による高血圧を、
血管外では浮腫みの原因になるのです。

多くの女性が冷え症に悩まされ、
手足の浮腫みに困っているのはこういった理由によるのです。

タンパク質と脂肪をしっかりとっていればOK

糖質制限では、タンパク質と脂肪を相対的に多く摂取することになりますが、
チーズやオリーブオイル・卵などを
たっぷり摂ったとしてもコレステロールは上昇せず、
腎臓が悪くなければタンパク質の摂取によっても身体に何ら悪影響を及ぼすことはありません。

人間の身体を構成する約60%は水分で、
残りの40%のうちその半分の20%強はタンパク質で、
20%弱は脂肪から構成されています。

糖質やビタミン・ミネラルはほんの数%程度です。
だとすれば、タンパク質と脂肪をしっかり取れば、
身体の新陳代謝に必要な原材料は確保されるというわけです。

また、タンパク質や脂肪が体の中で利用される際には、糖質を利用するよりもはるかに多い熱を産生します。
つまり、身体が温かくなる(冷え症で無くなる)のです。

更には、発酵食品を食べて
腸内常在菌を育菌すると、肌にとってもいい「ビタミンH」が産生されます。

皮膚疾患の方にビタミンHを処方すると症状の改善を見ることが多く、
「欠乏症状」としての皮膚病は少なからず存在すると実感しております。

以上、スキンケアについてまとめてみましたが、
参考になりましたでしょうか?今後益々ピチピチのお肌の方が増えることを期待しております。