関節のあちこちが痛みませんか?それってリウマチかもしれません!②
寒かった冬も終わりを告げて、あちこちで梅が綺麗に咲いていますね。次は桜ですね、待ち遠しい限りです。
さて、前回からのテーマはリウマチです。多くの場合、リウマチはゆっくりと進行し、
症状が急激にひどくなることはありません。
リウマチの初期には、熱っぽい、からだがだるい、
食欲がないといった症状が続き、朝方に手指の関節周囲にこわばりを感じます。
その後、左右対称に関節の腫れや痛みが起こりますが、
これは指などの小さな関節から、やがて全身の関節へと拡がっていきます。
実際の経過は人それぞれですが、具体的には大きく以下の4つのタイプに分かれます。
- 進行型(治療抵抗性でどんどん悪化)
- 多周期増悪型(治療では完全に良くならず、徐々に悪化)
- 多周期寛解型(症状に波はあるが、次第に改善)
- 単周期型(治療に反応し、速やかに改善)
このように、色々な臨床経過をたどるリウマチですが、
治療によって、関節痛などの症状が消え、
血液検査などの値も正常に戻る「寛解(かんかい)」という状態になり得ます。
以前は、この寛解に至る患者さんはごく一部でした。
しかし最近は病気への関心も高まり、症状が出たら早めに受診する患者さんも増え、
早くから抗リウマチ薬や必要に応じて生物学的製剤を投与するようになり、
「半数近く」の患者さんが寛解に到達し、関節破壊の進行も抑えられるようになりました。
更には、現在のリウマチ治療の進歩はめざましく、
進行型タイプの患者さんは今後益々減少すると思われます。
ところで、どうしたらリウマチを診断できるのでしょうか?
1.血液検査
- 血沈(ESR)
赤血球が、試験管の中を一定時間内にどれくらい沈降するかを調べます。リウマチの炎症の度合い(活動性)
をみる検査で、リウマチが悪化するにつれて高値になります。 - CRP
リウマチによる関節炎の程度を表す値です。 - 抗CCP抗体
ごく早期のリウマチでも血液中にみられることから、早期診断に応用されます。
これが高値だと、関節破壊の進行も早いため、強力な治療を行う必要があります。 - リウマトイド因子
自分の身体の細胞や組織に対する抗体の一つで、この値が高いとリウマチが疑われます。
ただし、リウマチ患者さんの約75%で陽性ですが、残りの25%は陰性です。
また、肝硬変や慢性肝炎、結核のほか、まれに健康な人でも陽性になることもあり、
リウマチ診断に絶対的なものではありません。
2.骨や関節の画像検査
関節のすき間が狭くなって骨同士がくっつく状態(強直(きょうちょく))などから、リウマチの進行度がわかります。
関節超音波検査は、リウマチの早期診断に使われます。また、個々の関節の炎症の程度を知ることもできます。
CT検査は、首(頸椎)や太もも(大腿骨頭)の病変、
間質性肺炎などをみるのに有効です。MRI検査では、
骨の中で起こっている炎症や滑膜の増殖の度合い、
骨びらんなどが早くからわかります。
こういった検査と、症状の持続時間を組み合わせて、
右のチャートから6点以上ならリウマチと診断します。